世(よ)にも尊(とうと)き聖者(ひじり)あり
深(ふか)く妙智(みょうち)をおさめつつ
吾(われ)も世界(せかい)もさながらに
一真実(いちしんじつ)と照見(さとり)えて
永遠(とわ)の度(すくい)を得給(えたま)えり
道(みち)を求(もと)むる諸人(もろびと)よ
物(もの)も心(こころ)もなべてみな
一真実(いちしんじつ)の虚影(かげ)なれば
虚影(かげ)そのままに一真実(まこと)ぞと
仰(あお)げば上二(ふに)の月(つき)さやか
生滅(しょうめつ)垢浄(くじょう)の分別(はからい)を
払(はら)い清(きよ)めし眼(まなこ)には
森羅万象(しんらばんしょう)さながらに
一真実(いちしんじつ)の相(すがた)にて
迷(まよ)い悟(さと)りの痕跡(あと)もなし
聖者(ひじり)と仰(あお)ぐ人(ひと)はみな
かかる妙智(みょうち)をさとりえて
世(よ)に罣礙(さわり)なく恐怖(おそれ)なく
顛倒(まよい)夢想(まぼろし)なきままに
心(むね)永久(とこしえ)に安穏(しずか)なり
三世古今(さんぜここん)のみ仏(ほとけ)も
かかるさとりに依(よ)らずして
雲(くも)よぶ松(まつ)のいろはゆる
世(よ)にたぐいなき正覚(まさとり)を
いかでか証(あか)し給(たま)いなん
げに彼(か)の岸(きし)の妙智(みょうち)こそ
妙(たえ)なる功徳(ちから)はかりなく
とうとき光明(ひかり)かがやきて
よろずの苦厄(なやみ)うち除(のぞ)き
深(ふか)き安心(やすらい)きわもなし
いざたたえなん諸人(もろびと)よ
聖(きよ)き妙智(みょうち)の真言(まことば)を
往(ゆ)け 往(ゆ)け
さとりの彼(か)の岸(きし)へ
吾(わ)れ他(ひと)ともに到(いた)り得(え)て
さとりの道(みち)ぞ
永遠(とわ)に成就(めで)たき